はじめに
「ダイアロジックリーディングってなに?なんだか難しそう…」
そんなふうに感じたママも多いのではないでしょうか。私たち親世代にはあまりなじみがない言葉ですが、実はこの方法、0〜2歳の赤ちゃんとの“読み聞かせ”にぴったりなんです。
「絵本を読んであげるだけじゃダメなの?」
「まだしゃべらない赤ちゃんにも効果あるの?」
初めての子育てだと、絵本タイムにもいろんな疑問がわいてきますよね。
でも大丈夫。ダイアロジックリーディングは、「会話のキャッチボール」のように、赤ちゃんの反応に合わせて声をかけるだけ。特別なスキルも教材もいりません。ママの声と笑顔だけでOKなんです。
この記事では、ダイアロジックリーディングが0〜2歳の赤ちゃんにどんな風に役立つのか、そしてママが今日からできるやり方やコツを、わかりやすくご紹介します。
ナチュラル志向のブログで読み聞かせ術?とお思いの方もいらっしゃったかもしれませんが、赤ちゃんとお話をしながら、絵本を読むって、とっても自然なことだと思いませんか?これを読んでいる方の中には、赤ちゃんと会話しながら絵本を読むなんて当たり前にやっているという方も、いるかもしれません。そんな方にも是非読んでいただきたい。私って赤ちゃんにとってこんないいこと出来てたんだっていう自信に繋がるはず!
ダイアロジックリーディングとは?
ただの読み聞かせとどう違うの?
絵本を読む=読み聞かせ、と思っていませんか?
ダイアロジックリーディングとの大きな違いは「一方通行」か「対話」か、という点です。
一般的な読み聞かせは、大人が絵本の文章をそのまま読んで聞かせるスタイル。もちろんこれでも十分に赤ちゃんにとって良い刺激になりますが、ダイアロジックリーディングではそこに“対話”を加えます。
たとえば絵本に動物が出てきたとき、「これはなにかな?」「この子、どんな気持ちだろうね?」と声をかけてみる。赤ちゃんが声を出したり指をさしたりしたら、「あっ、ワンワンだね!気づいたんだね」と反応してあげる。この“やりとり”こそが、言葉を育てる土台になるのです。
赤ちゃんがまだ言葉を話せなくても大丈夫。表情や身ぶりをよく見て、その気持ちに寄り添うことが、ダイアロジックリーディングの第一歩です。
赤ちゃんでも「対話」が成り立つ理由
赤ちゃんって、まだ話せないのにどうして“対話”ができるの?
そう思いますよね。でも実は、赤ちゃんは生まれたときからコミュニケーションの達人なんです。
たとえば、ママの声に反応して目をキラッとさせたり、笑ったり、じーっと見つめ返してきたり。これはすべて赤ちゃんからの“お返事”。言葉を話す前から、視線や表情、声のトーンで気持ちを伝えようとしているんです。
ダイアロジックリーディングでは、そうした非言語のサインを「赤ちゃんからの言葉」として受け取り、それに応じて返すのがポイント。「見てるね〜」「気になったのかな?」と声にして返すことで、赤ちゃんとのやりとりが成り立ちます。
つまり、“対話”とは、話すことだけではなく「気持ちをやりとりすること」。0〜2歳の赤ちゃんにも、ちゃんとできるんです。
ダイアロジックリーディングが注目されている背景
最近、子育て支援や保育の現場で「ダイアロジックリーディング」が注目されている理由は、子どもの**言語発達や非認知能力(共感力・想像力など)**を自然に育てられるからです。
特に0〜2歳の時期は、脳の発達が著しく、親との関わりがそのまま子どもの“学び”になります。研究でも、「言葉のシャワー」をたくさん浴びた子は語彙が増え、自己表現が豊かになることがわかっています。
また、2020年代以降、文部科学省や自治体などが「対話的読み聞かせ」の効果に注目し、保育園や幼児教育の現場でも取り入れが進んでいます。NHKの子育て特集や子ども向け教育書などでも紹介され、「やってみたい!」というママたちが増えてきました。
一方で、「正しいやり方がわからない」「うまくできているか不安」という声も多く、情報がまとまっていないのが現状です。だからこそ、実際のやり方をわかりやすく伝えることが求められているのです。
0〜2歳の赤ちゃんに合ったやり方とは?
実は「質問しなくてもOK」なダイアロジック
「これは何かな?」「どんな気持ちかな?」と質問するのがダイアロジックリーディング…と思っていませんか?
実は、0〜2歳の赤ちゃんに対しては**“問いかけ”にこだわらなくても大丈夫**なんです。
赤ちゃんはまだ言葉で返すことが難しいため、「何かな?」と聞いても答えられないことがほとんど。だからこそ、**質問よりも「実況中継」や「共感コメント」**が効果的です。
たとえば、絵本のページにくまさんが登場したら、「わあ、大きなくまだね〜!」「あれ?くまさん、ちょっとさみしそう?」など、ママが感じたことを声に出すだけでOK。赤ちゃんはその声のトーンやリズム、表情をしっかり受け取っています。
無理に“正解のあるやりとり”をしなくていいのが、0歳児との読み聞かせの魅力。声のやりとりを通して、親子の心がつながっていく時間を大切にしていきましょう。
月齢別|おすすめのやりとりスタイル
ダイアロジックリーディングは、赤ちゃんの月齢に合わせて“やりとりの形”を少しずつ変えていくと、より効果的です。赤ちゃんの発達に寄り添いながら、楽しめる関わり方を月齢別にご紹介します。
■ 生後0〜6か月ごろ
この時期は、赤ちゃんはまだ視線や表情で反応するのが中心。
絵本を読みながら「見てるね〜」「かわいいね」と、実況中継のように声をかけるのがポイント。大人の声の抑揚や、笑顔が赤ちゃんの“安心”になります。
■ 生後7か月〜1歳ごろ
少しずつ指さしや声を出すことが増えてくる時期。
赤ちゃんが指をさしたら「見つけたの?ワンワンいたね!」と反応をしっかり受け止めて返すことで、やりとりが深まります。
■ 1歳〜2歳ごろ
言葉がポツポツ出始め、簡単な質問にも反応するように。
「これはなにかな?」「どこに行くのかな?」と問いかけてみるのも◎。言葉で返せなくても、「うー!」「あっ!」などの反応を大切に受けとめて返しましょう。
それぞれのステージで無理なく、赤ちゃんの“今”に合った方法で楽しむのがコツです。
実際にやってみよう!ママのための5ステップ
ステップ1:まずは絵本を選ぶ
ダイアロジックリーディングをはじめる第一歩は、「赤ちゃんに合った絵本選び」から。
でも、「どんな絵本を選べばいいの?」と迷いますよね。
0〜2歳の赤ちゃんには、絵がシンプルで大きく、文字数が少ない絵本がおすすめ。動物や乗り物など、赤ちゃんが興味を持ちやすいテーマだと、自然と絵に注目してくれます。
たとえば、以下のようなポイントで選んでみてください:
- 絵が大きくてカラフル
- ストーリーよりも“音やリズム”が楽しい
- 1ページごとに変化があり、めくるたびに赤ちゃんが反応できる
- 赤ちゃんの生活や感情に近い内容(「ねんね」「ごはん」など)
実際に読んでみて、「じっと見てる」「声を出して反応した」などがあれば、その絵本は赤ちゃんにとって“お気に入りの一冊”になりそうです。
難しく考えすぎず、「ママが読んで楽しい」と思える絵本を手にとることも大切ですよ。
ステップ2:読む前に“見る”時間をつくる
絵本を手に取ったら、すぐに読み始めたくなりますよね。でも、いきなり読み出さなくても大丈夫なんです。
赤ちゃんにとっては、「絵をじっくり見る時間」もとても大切な学びの時間になります。
まずは絵本を開いて、赤ちゃんと一緒に絵をながめてみましょう。たとえば、「わあ、おっきなバナナだね〜」「ここにネコさんがいるよ」など、言葉というより“感じたこと”を声に出すのがポイントです。
赤ちゃんが指をさしたり、じっと見つめたりしたら、その反応に合わせて「見つけたの?」「気になるね〜」と声をかけてみてください。無理にページを進めなくてもOK。同じページをずっと見ていても、それが赤ちゃんの「今、知りたい」ことなんです。
この“見る”時間は、赤ちゃんが絵本の世界に入っていく準備体操のようなもの。
親子でゆったり絵を楽しむだけでも、自然な対話が生まれますよ。
ステップ3:ママの「声」が一番の教材
ダイアロジックリーディングで何より大切なのは、「声のやりとり」。
特に0〜2歳の赤ちゃんにとって、ママの声そのものが最高の教材になります。
声の高低、抑揚、間のとり方…。実はそれだけで、赤ちゃんの脳はフル回転!
内容を正確に読むことよりも、「うれしい声」「おどろいた声」「やさしい声」など、感情がこもった話し方が赤ちゃんの心を育てます。
たとえば、くまさんが出てきたら「くまさん、こんにちは〜♪」と明るく、
雨が降ってきた場面では「わあ、ぽつぽつ雨がふってきたね〜」としっとりトーンで。
そんな風に、“音の演技”を楽しむつもりで読んでみましょう。
読み間違えても気にしないで大丈夫。大切なのは、 赤ちゃんとの“共有体験” です。
声を通してママの気持ちが伝わると、赤ちゃんも絵本の世界をいっしょに楽しんでくれるようになりますよ。
ステップ4:赤ちゃんの反応に合わせて言葉を返す
赤ちゃんが絵本を見ながら何かしら反応したとき、そこが“対話”のチャンスです!
たとえ言葉になっていなくても、「声を出す」「じっと見る」「指をさす」など、すべてが立派なコミュニケーション。
たとえば、赤ちゃんが「うー!」「あっ!」と声を出したら、「ほんとだね〜」「見つけたの?」と言葉で返すのがポイントです。
こうしたやりとりを「応答的な関わり」と言い、言葉の発達にも深く関係しているとされています。
また、赤ちゃんが特定のページで毎回笑ったり、手を伸ばしたりするようなら、その反応を受けて「お気に入りだね〜」「また見たいのかな?」と、感情に名前をつけて返すのもおすすめです。
この“キャッチボール”が、ダイアロジックリーディングの真髄。
ママが赤ちゃんのサインをしっかり受けとめて返すことで、「声って伝わるんだ」「楽しいな」と赤ちゃんが感じられる時間になりますよ。
ステップ5:「一方通行」を手放してみる
「最後までちゃんと読まなきゃ…」と頑張ってしまうママ、多いですよね。
でも、0〜2歳の赤ちゃんとの読み聞かせは、“途中で止まる”ことも立派な読み方なんです。
ダイアロジックリーディングでは、赤ちゃんのペースや反応を最優先します。
気になるページを何度も開いたり、途中で絵本を閉じてしまったり…そんな時も「今日はここまでにしようか」と優しく対応してOK。
絵本は、読み終えることよりも一緒に楽しむことがいちばんの目的です。
赤ちゃんの好奇心が広がった瞬間や、思わぬ反応を見せたタイミングを大切にしましょう。
また、毎回同じように読まなくても大丈夫。
今日は途中で歌にしたり、別の日は絵を見ながらおしゃべりしたり…自由で柔軟な読み方こそ、赤ちゃんの心を豊かに育ててくれます。
「読んであげる」から「一緒に楽しむ」へ。
その視点の切り替えが、ママにとっても気持ちがラクになるはずですよ。
ダイアロジックリーディングを続けるための3つのコツ
コツ1:毎日じゃなくてもOK!気楽に続けよう
「ダイアロジックリーディング、毎日やった方がいいのかな?」
そんな風に思うママもいるかもしれませんが、“続けること”より“楽しむこと”が大切です。
もちろん、毎日できれば理想的。でも、子育ては予想外の連続。
「今日はぐずって絵本どころじゃない…」「こっちがクタクタ…」そんな日もありますよね。
大丈夫。週に1回でも、気が向いたときだけでもOKなんです。
大切なのは、ママが「一緒に絵本を楽しみたいな」と思える時間を見つけること。
そして、赤ちゃんとの対話は日常の中にもたくさんあります。
「おはよう」「おいしいね」「きれいだね」――これも立派なダイアロジックリーディングの一部。
絵本の時間だけが“特別”じゃなくても、気楽に楽しむ気持ちが継続のカギになりますよ。
コツ2:同じ本をくり返し読もう
「またこの絵本?」と思うくらい、赤ちゃんはお気に入りの1冊を何度も読みたがるもの。
でも実は、それこそがダイアロジックリーディングにピッタリな習慣なんです。
同じ本をくり返し読むことで、赤ちゃんの中にことばや感情が少しずつ積み重なっていくと言われています。
前は笑わなかった場面でニコニコしたり、指さす場所が変わったり…。
くり返しの中で、赤ちゃんは新しい「気づき」や「理解」を育んでいます。
ママにとっても、何度も読むことで“間”の取り方や声のトーンなどが自然と工夫できるようになり、より豊かな対話が生まれやすくなります。
だから、無理にたくさんの絵本を用意しなくても大丈夫。
「この本ばかりでいいのかな?」と心配になる必要はありません。
お気に入りの1冊を何度でも楽しむことが、いちばんの贈り物になるのです。
コツ3:絵本以外のやりとりにも応用しよう
ダイアロジックリーディングの魅力は、絵本だけにとどまらないところ!
この「対話的な関わり方」は、日常のあらゆる場面に応用できます。
たとえば、おもちゃで遊んでいるとき。
赤ちゃんがガラガラを振ったら、「カラカラって鳴ったね〜」「上手に振ってるね」と言葉を返してみましょう。
お散歩中に鳥を見つけたら、「鳥さんいたね」「どこ行くのかな?」と問いかけるのも◎。
このように、赤ちゃんの行動にママのことばを添えることで、自然な対話が生まれ、ことばの世界がぐんと広がっていきます。
また、日々の着替えやごはんの時間にも、「シャツ着ようね」「おいしい?」「スプーンでパクっ!」など、実況中継のように語りかけるのもおすすめ。
赤ちゃんは、ママの言葉を通して「名前」「感情」「出来事」をつなげていくのです。
絵本の中だけじゃない、毎日のやりとりすべてが“対話”のチャンス。
ママの声が、赤ちゃんの世界をどんどん豊かにしていきますよ。
こんなときどうする?ママのお悩みQ&A
ダイアロジックリーディングを始めてみたけれど、「あれ?思ったように反応がない…」「これで合ってるのかな?」と不安になること、ありますよね。
ここでは、実際によく聞かれるママたちの疑問にQ&A形式でお答えします。
「質問しても返ってこない」場合はどうする?
赤ちゃんに問いかけたのに、返事がないと「通じてないのかな…?」と不安になりますよね。でも、それはまったく問題なし!
赤ちゃんはまだ「言葉で返す準備中」。じっと見つめたり、体を動かしたり、まばたきしたりするのも立派な“反応”です。
無理に返答を求めず、
「くまさん、どこ行くのかな?…ママは、森に行くと思うな〜」
など、一人芝居のように続けるのがポイントです。赤ちゃんはそのやりとりを、しっかり吸収しています。
絵本に飽きてきたらどうすれば?
同じ絵本ばかりだと、ママのほうが飽きちゃいますよね。でも実は、赤ちゃんは“同じ絵本を繰り返す”のが大好きなんです!
それでも反応が減ったかな?という時は、以下を試してみてください:
- ぬいぐるみを登場させて「読み手チェンジ」
- 絵本のセリフをアドリブで変えてみる
- 読む速さやトーンを変えて“演技風”に
少しの変化が、赤ちゃんの興味をぐっと引き戻します。「楽しい」が最優先でOK!
パパにもダイアロジックリーディングを伝えたい!
パパにもやってほしいけど、説明がむずかしい…という声、多いです。
そんな時は、 「問いかけながら読むスタイルだよ」 とざっくり伝えてOK。
さらに、
- 短くて簡単な絵本を選ぶ
- 一緒に読んで見本を見せる
- 「○○ちゃんが喜んでたよ〜」とフィードバック
これでパパの“やる気スイッチ”が入ることも。完璧にやる必要はないので、気軽に楽しめる雰囲気づくりが大切です。
ダイアロジックリーディングを続けた先に
ダイアロジックリーディングは、毎日ちょっとずつの積み重ねが大事。
続けていく中で、赤ちゃんにもママにも、たしかな変化が見えてきます。
赤ちゃんの反応が豊かになるまでの変化
最初は無反応でも、だんだん目が合うようになったり、声を出したり、指をさしたりと、反応のバリエーションが増えていきます。
これらはすべて、「ことばの準備運動」。
おしゃべりが始まるずっと前から、赤ちゃんの中で言葉が育っている証拠です。
「昨日よりちょっと反応があったかも?」
そんな変化に気づけたら、ママ自身ももっと楽しくなりますよ。
「ことばが遅いかも…」という不安が安心に変わる
月齢が上がってくると、周りの子と比べて「うちの子、ことばが遅い?」と心配になることも…。
でも、ダイアロジックリーディングを通して“ことばの土台”が育っていれば、焦らなくて大丈夫!
- 言葉は「インプット→アウトプット」の順番
- 反応があれば理解は進んでいる証拠
- 赤ちゃんのペースを信じてOK
「ことばの遅れ=発達の遅れ」ではないとわかると、ママの気持ちにも余裕が生まれます。
子育てがもっと楽しくなる、絵本タイムの習慣化
毎日少しの時間でも、「絵本で会話」する習慣ができると、子育ての雰囲気がぐっと明るくなります。
- 赤ちゃんとの時間が特別な“対話の場”になる
- ママ自身も「話しかけ力」がアップ
- 忙しい日でも“つながり”を感じられる
ダイアロジックリーディングは、赤ちゃんの成長だけでなく、ママの心にも嬉しい変化をもたらしてくれるんです。
まとめ:ママと赤ちゃんの絆を深める新しい読み聞かせ
ダイアロジックリーディングは、ただ絵本を「読む」だけではなく、赤ちゃんと「対話する」新しい読み聞かせのスタイル。
0〜2歳という言葉の芽が育つこの時期に、ママの声で“ことばの土台”を育てる大切な時間になります。
「ちゃんと読まなきゃ」「毎日やらなきゃ」ではなく、“一緒に楽しむ”気持ちがなにより大切。
気楽に、ゆるやかに、でも愛情たっぷりに。
それだけで赤ちゃんの心には、安心と好奇心がしっかり届きます。
毎日の中で「ことばのキャッチボール」が少しずつ生まれていくその瞬間を、どうぞ楽しんでくださいね。
ママと赤ちゃんだけの、かけがえのない絵本時間になりますように。
これからも時には手を抜きつつ、ゆるっと楽しく優しい子育てしていきましょうね。
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